1章彼の名は正義!

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「馬車………?」 「はい、城に行くための馬車が通ってるんです。」 「えっと、それは、いつ出る?」 「夕方頃になると思いますけど……城に行く馬車は少ないんです。」 「そうなのか。」 道を聞いていた黒い髪の男は、ふとメルやシリアの格好を見てまた聞いた。 「その格好……もしかしてアンタ達、騎士?」 「え?あ、はい、ちょっと特殊ですけど。」 それを聞くと、黒い髪の男は嬉しそうに微笑みながら「実は俺も……」と言いかけたが、不意に聞こえて来た叫びに掻き消された。 「みなさん!早く避難して下さい!みなさん!」
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