レッスン2

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そして勢い良くガバリと起き、立ち上がった。 「ヤダっ!一緒に帰る!」 「はいはい、解ったから顔のよだれ拭いとけ。」 春のいかにも興味なさげな言葉に薫は真っ赤になった。 「な……っ!よだれじゃ……っ。」 途中まで言って薫は言葉を止めた。 彼女には、よだれを涙と訂正する勇気が出なかったのだ。 「……ねぇ、僕、ケーキが食べに行きたいな。」 「ふわぁ、お腹いっぱいだよー。」 「当たり前だっ!何個食う気だよ!?俺の財布が痛々しい事になっちまったじゃねぇか!」 アハハ、と薫は軽快な笑い声を零した。 ケーキ屋へ行った二人。 薫は春の『おごってやる。』と言う言葉に釣られて、五個もケーキを食した。 春はおかわり自由なコーヒー片手に薫がどんどんケーキを腹に詰め込んでいく姿を唖然と見守っていただけだった。 そして店を出て、春は酷く財布にダメージを受けるはめになったのだった。 「さーて、次はどこへ行こうかな?」 薫が当たり前のように言う。 手はしっかりと春の手を握り逃がすまいとしていた。 「は、まだ行くのか!?」 「あったり前!さ、行くぞぉっ!」 薫はルンルンと歩いて行く。
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