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薫は脱線してしまった話を元に戻そうと思い首を傾げる。
「そうだそうだ、探偵、まで話したんだね。ねぇ、納得した?」
「おぅ、半ば無理矢理だけどな……。で、俺に惚れた理由を聞こうじゃないか。」
春はどこと無く偉そうな態度で尋ねた。
薫は照れくさそうに頬を染めた。
「そ、その……」
「何だ?」
「実は……っ!」
春は緊張したように固唾を飲んだ。
薫は勢い良く続けた。
「サラリーマンを投げ飛ばしてる姿を見て一目惚れしたんだっ!」
「……ぇ、あー、え?それだけ?」
「あの日から僕は君を見る度に胸がドキドキして……」
胸を押さえる薫を見て春は片手を軽く上げ、話を止めさせた。
「ちょっと待て、それは女として男の俺に惚れたのか?まさか俺の事を女と認識して惚れたんじゃないだろうな。」
うーん、薫は首を捻り暫く唸った。
そして、結論が出たのかパァ、と笑顔を見せた。
「男として男の香野君に惚れました!」
「なんじゃそらぁぁっ!」
春は本日二度目の雄叫びを上げたのだった。
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