レッスン 1

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薫は脱線してしまった話を元に戻そうと思い首を傾げる。 「そうだそうだ、探偵、まで話したんだね。ねぇ、納得した?」 「おぅ、半ば無理矢理だけどな……。で、俺に惚れた理由を聞こうじゃないか。」 春はどこと無く偉そうな態度で尋ねた。 薫は照れくさそうに頬を染めた。 「そ、その……」 「何だ?」 「実は……っ!」 春は緊張したように固唾を飲んだ。 薫は勢い良く続けた。 「サラリーマンを投げ飛ばしてる姿を見て一目惚れしたんだっ!」 「……ぇ、あー、え?それだけ?」 「あの日から僕は君を見る度に胸がドキドキして……」 胸を押さえる薫を見て春は片手を軽く上げ、話を止めさせた。 「ちょっと待て、それは女として男の俺に惚れたのか?まさか俺の事を女と認識して惚れたんじゃないだろうな。」 うーん、薫は首を捻り暫く唸った。 そして、結論が出たのかパァ、と笑顔を見せた。 「男として男の香野君に惚れました!」 「なんじゃそらぁぁっ!」 春は本日二度目の雄叫びを上げたのだった。
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