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「ハンカチありがとう」
明日美がハンカチを差し出した。
「うん」
龍生はハンカチを受け取った。少し湿っている
「ごめんね、血の染みを洗ってまだ乾いてないの」
「あー、そうなんだ」
龍生は少し照れて言った。
「でもハンカチのおかげで助かったわ、ありがとう龍生くん」
「それだけ?」
「えっ?」
「それだけなの?お礼だけじゃ俺済まさないよ」
「じゃあ何をすれば良いの?」
「・・・・明日から、朝、一緒に学校行こうよ」
「一緒に?」
「うん、俺いつも一人で学校行き帰りしてるから寂しくて、だから朝一緒に行こうよ」
「分かったわ、お安いご用よ」
「じゃあ明日、あの時間、あの曲がり角で」
「分かったわ」
「じゃあ指きり」
「うん指きり」
二人は小指をついないだ
「指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指きった」
「じゃ、じゃあまた明日」
と言う訳で二人は一緒に学校に行くようになったのだ。
「行こう、龍生くん」
「うん」
二人は歩き始めた。
「龍生くん学校は楽しい?」
「う、うん、楽しいよ」
「あー、いいなー、私も小学生に戻りたい」
「じゃあ一緒に小学校行こうよ」
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