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真実
康太の退院から
一週間後
町郊外の京子が死んだ場所に鮫島は、康太を呼んだ。
「鮫島さん・・・でしったけ?なんでこんな場所に呼び出したんですか?なにかわかったんですか?」
「ああ間違っていたら責任を取ることになるが・・・」
「・・・」
「奴は恐らく京子ではなく妹だ。まだ日本ではDNA鑑定では証明ができないから、あくまで推測だが・・・」
「なぜ?」
「背丈、体格と声は姉妹だから似せる事が出来る。しかも『双子』ならなおさらだ。あと知っているか?筆跡はまねできること。まあ、大変なのは言うまでもないが・・・。」
その時、康太は鮫島の言葉をさえぎった。
「ありえない。京子の妹の冴子は事件前に死んでいる。」
「でもまあ、奴は奴の妹が車で事故った前に死んだと結果にでている。それが正しいと考えたら、妹の死が偽装ならばどうだ?」
「・・・。では死体は誰ですか?」
「おまえの彼女だろ?」
「まるで俺が司を殺した共犯じゃないか?」
「ああ推測だが・・・。しかし、おまえが彼女の 山田 蛍を殺したのは確かだ。さっき捜索願が届いた。山田 蛍の足取りはおまえのところで途切れているからな。まあとは言うまでもないだろ。死体の歯型も偽装だな。あと、警官の配置や定時連絡の時間や病院の構造をあらかじめ調べ、ナース服を病院のどこかで手にいれる。そして、凶器を司の病室に隠した。ちなみに病院で殺したのは、おれが邪魔したときのためだろ。案の定そうなったが・・・」
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