涙②

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授業中だというのに、勢いよく椅子から立ち上がった。 クラスメイトの視線が俺に集まっていた。 教科担任も驚いて、授業が一時中断した。 そんな中、俺は息が荒く、心拍数も異常に速かった。 嫌な汗もかいていた。 汗を拭こうと顔を触っていると、頬が濡れていることに気づいた。 最初は、汗が垂れてきたのかと思った。 だけど、この水滴は瞳から流れていた。 ――…ビックリした。 自分が泣いていることに…。 そして、夢の中の出来事を思い出した。 「あっ…、トイレいってきます」 クラスメイトに顔を見られないように、俺は、急いで教室を出て行った。 .
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