撃攘

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機動部隊を発進した第2次攻撃隊は、索敵機が報じた海域に向け進撃する。 その途上。 攻撃隊指揮官(加賀)艦攻隊 小松重則少佐は、反航して来る機影認めた。 単発低翼、双フロート。 味方の索敵機、零式水上偵察機だった。 向こうもこちらを見つけたらしく、バンクしながら接近して来る。 近付くにつれ、はっきりとしてきたが、敵戦闘機の追尾を受けたらしい。 機体の至る所に生々しい、弾痕が刻まれている。 (……あんな姿になるまで頑張ってくれたのか。 ご苦労だった。 後は任せて、無事に帰ってくれ) まもなく水偵は編隊とすれ違い、機動部隊へと向かう…… と、思われた。 その水偵は、突然反転すると編隊の先頭に立った。 小松が怪訝な顔で見守っていると、後部の偵察員が 風防を開け、こちらに向かって文字の書かれた黒板を差し向けた。 『我、誘導ス』
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