4055人が本棚に入れています
本棚に追加
/678ページ
機動部隊を発進した第2次攻撃隊は、索敵機が報じた海域に向け進撃する。
その途上。
攻撃隊指揮官艦攻隊 小松重則少佐は、反航して来る機影認めた。
単発低翼、双フロート。
味方の索敵機、零式水上偵察機だった。
向こうもこちらを見つけたらしく、バンクしながら接近して来る。
近付くにつれ、はっきりとしてきたが、敵戦闘機の追尾を受けたらしい。
機体の至る所に生々しい、弾痕が刻まれている。
(……あんな姿になるまで頑張ってくれたのか。
ご苦労だった。
後は任せて、無事に帰ってくれ)
まもなく水偵は編隊とすれ違い、機動部隊へと向かう……
と、思われた。
その水偵は、突然反転すると編隊の先頭に立った。
小松が怪訝な顔で見守っていると、後部の偵察員が 風防を開け、こちらに向かって文字の書かれた黒板を差し向けた。
『我、誘導ス』
最初のコメントを投稿しよう!