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指揮官機からの命令に待っていましたと言わんばかりに、各隊は思い思いの攻撃目標に向け、機首を向ける。
戦国乱世の武士の突撃のような、ホラ貝を吹き、雄叫び挙げてとはいかないが、その気迫たるや勝るとも劣らない。
しかし、この攻撃に加わらない隊がいた。
《瑞鶴》艦爆隊と《翔鶴》の艦攻隊。
臆病風に吹かれた。
……訳ではもちろんない。
彼らは別の機動部隊を発見していた。
雲の下、やや離れた海域を進む、もう1つの機動部隊を。
彼らは独断でこちらを叩くことを決断した。
たとえ彼らが抜けた所で、3隻の空母ぐらい、1航戦、2航戦、5航戦だけで十分だと判断したためだ。
それに、まだ新参者、経験不足の新米とレッテルを貼られている6航戦には、目立った戦功が必要だった。
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