撃攘

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ネームシップ、《ヨークタウン》もまた、攻撃に晒されていた。 艦の特性をつかんでいた、艦長、バックマスター大佐の指揮の下、始めこそ回避に成功していた《ヨークタウン》だったが、《日向》艦爆隊が見舞った2発の爆弾が状況を暗転させた。 2発揃って、煙突と一体化した艦橋を直撃。 1発は艦橋を倒壊させ、バックマスター艦長以下、艦の幹部達の命を奪い去った。 残る1発は煙突内部へと侵入。煙路を伝い機関室へと到達したところで炸裂。 缶の一部とタービンを破壊し、速力を10ノットにまで激減させた。 ついで直撃した3本の魚雷が、速力の低下に拍車をかける。 他艦も、自身の保持に必死となっており、半身不随の《ヨークタウン》は戦場 にただ1隻、置いていかれた。
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