撃攘

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「前衛、第18駆逐隊(萩風)より入電!!『敵大編隊、本隊ニ向カウ』以上!!」 「対空戦闘用意!!」 警報が出され、各艦は戦闘用意にかかる。 鉄カブトをかぶった兵員達が持ち場に向け駆け出し、それまで水平に倒されていた砲身、銃身が上空を睨み上げる。 上空では直衛任務に就いていた零戦66機が、報告のあった方角へと急行して行く。 「危ない所でしたね。来るのがあと5分早かったら……」 「攻撃隊収容中の無防備なところをやられていたね。どうやら天が味方してくれているらしい」 源田の言葉に山本も頷く。 「第2次攻撃隊も頑張ってくれたようだが、全空母撃沈とは至っていないようだ。日暮れまでにあと1回は攻撃隊を出したい。 艦長、操艦よろしく頼む」 「本分を尽します」 《赤城》艦長、青木大佐が返答する。 やがて前方に砲声が轟き、爆煙が空を汚し始めた。 「さて、敵さんのお手並み拝見といこうか」
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