撃攘

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源田の予想は的中していた。 米軍攻撃隊は、進撃の途中スコール雲に遭遇。これを避ける際に編隊が乱れていた。 さらに元々の技量の低さや、合同訓練の不足、無線封止も手伝い、その後合流することが出来ず、各航空隊がバラバラになって進撃していた。 米軍も予期できなかった、災難。 乱れた編隊は各個撃破。 に、なるかと思われた。 「面舵一杯!!」 突然、大音声で叫んだ青木艦長の命令に艦橋にいた全員が怪訝な表情を見せた。 それに遅れて。 「敵機!!直上!!急降下ぁ!!」 見張りの報告が飛んだ。 日本側の多くが、低空での戦いに気をとられている頃。 注意が散漫となった、上空から接近する影があったのだ。 ダグラスSBDドーントレスは、ダイブ・ブレーキを作動させ、急降下に移らんとしていた。 《赤城》を目指して。
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