4057人が本棚に入れています
本棚に追加
「撃ち方始め!!」
砲術長の命の下、高角砲、機銃群が敵を阻止せんと射撃を開始する。
雷撃機を片付けた、零戦隊が慌てふためいて急上昇を開始する。
しかし、零戦隊に向かい急降下する影があった。
こちらもようやく戦場に到着したF4F。
迎撃は間に合いそうにない。
ここへ来て、米軍は初めて戦場の主導権を握りつつあった。
偶然の産物だったが。
巡洋戦艦として生を受けるはずだった船体を震わせ、傾斜させ、132100馬力に及ぶ機関が巨体を海面上に滑らせる。《赤城》は敵の魔の手から逃れようと全力を挙げていた。
対空砲は激しく唸りを挙げているが、敵撃墜の報告は入らない。
回避だけが逃れる術となりそうだった。
「敵機、投弾始めた!!」
「衝撃に備え!!」
間も無く弾着の水柱が《赤城》を覆い始めた。
最初のコメントを投稿しよう!