撃攘

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1340。 1機艦より第3次攻撃隊発進。第1次攻撃に参加した機を中心に編成され、損傷機は省かれたため、参加機は122機だった。 米機動部隊を守る戦闘機はいなかった。 自力航行が可能なまでに復旧していた《ヨークタウン》だったが、皮肉な事にまだ動ける事が、この艦の不幸となった。 攻撃で、さらに被弾、被雷が相次いだ《ヨークタウン》は、船体に多数の傷を刻まれ波間に没した。 合衆国海軍最大の空母、 《レキシントン》。 しかし米空母としては珍しい、密閉式格納庫が死神を招き寄せた。 爆弾3発を被弾し、火災は弾薬庫付近へと、にじり寄った。 解放式格納庫ならば、弾薬の海への投棄がスムーズにいったかもしれない。 しかし彼女は違った。   消火活動も虚しく、火災は弾薬庫を呑み込んだ。 地上300メートルに達する火柱が上がった。 その(レキシントン)の姿を見た者はいなかった。
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