撃攘

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「敵艦近付く!!方位200、距離35000!!」 報告を受け、キンメルは首から下げた双眼鏡を手にした。 《ナガト》に《フソウ》。 後から装備を追加を装備したため、竣工時と比べると別の艦のようになってしまった、突起物の多い、高くなった艦橋が見える。 と、思っていた。 しかし、キンメルの目に写ったのは、3本煙突に、戦艦のものと比べると玩具にしか見えない単装砲を装備した、どう見ても軽巡洋艦にしか見えない艦だった。 そんな艦が2隻、白波を蹴立てて接近してくる。 なんだ? 俺達をなめているのか? それがキンメルを始め、幕僚達の意見だった。 傷付き、主砲を始め兵装の多くを失っているとは言え、こちらは戦艦だぞ? 軽巡で勝てると思っているのか? 馬鹿にしやがって!! だが、まぁいい。 すぐに思い知らせてやる!! 「砲撃用意!! 我々を侮ったこと、あの玩具に後悔させてやれ!!」 単縦陣を形成した戦艦群は、数が減少した主砲を全てその軽巡に向けた。
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