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そんな居並ぶ艦船の中で、一際目立つ艦がいた。
艦首から第1砲塔にかけ、重心を下げるために描かれた、なだらかな坂。
艦中央からやや艦尾よりには、それまでの戦艦とは異なり、塔型のすっきりとした艦橋がそびえ、幾多の煙菅を収束した煙突、マストがまとまって並ぶ。
さらに周囲を多数の対空砲が固める姿は、洋上に難攻不落の城塞が現出したような錯覚を感じさせる。
そして何より目立つのは、前部2基、後部に1基据え付けられた三連装砲塔。
ワシントン条約失効後の列強戦艦の主砲配置としては、一般的。
しかし、その巨大さは人類史上、例は無い。
その口径46センチ。
戦艦。
質で他国戦艦を圧倒する。そんな海軍の要望に、艦政本部が出した答だった。
航空機が主役となった今、戦艦はもはや、海戦の主役ではない。
しかし、その威容からは、そんな時勢を忘れさせる程の威圧感が発せられていた。
現在は、3月の連合艦隊編入を目指し、慣熟訓練中であり、編入後は《長門》に代わり、連合艦隊旗艦の任に就く予定となっている。
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