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その《大和》に隣接する形で、もう1隻、見慣れぬ新しい艦がいる。
艦のレイアウトは《大和》と酷似しているが、やや小さい。
《大和》を削り出し、スケールダウンさせたような艦だった。
とは言っても、排水量は30000トンを優に越えている。
装甲巡洋艦。
老朽化著しい、《金剛型》戦艦の代艦として戦前から建造が進められていた艦だった。
何十年ぶりかで復活した、装甲巡洋艦という種別に分類されているものの、主砲には31センチ砲を採用。これを9門搭載しており、戦艦と呼称しても違和感はない。
また高角砲には九八式10センチ、通称長10センチを連装で12基装備している。
量産が難しいこの高角砲を搭載しているのは、現在と《伊吹型》のみだった。
また速力は最大33ノットという韋駄天ぶりを発揮することが可能で、空母護衛艦としての能力は、《金剛型》を上回っている。
もっとも、1隻でも多くの艦が必要な戦時下とあっては、《金剛型》の退役など考えられなかったが。
現在は、2番艦が年内の就役を目指して建造中。3、4番艦の《生駒》《六甲》は船体が完成。艤装工事が進められている。
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