撃攘

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《千代田》12号と合流後間もなく、敵艦隊が姿を表した。 3隻の《ヨークタウン型》。今度こそ敵機動部隊。 間違いない。 戦闘機隊が上昇を開始した。 見上げるとそこには50機を越える敵戦闘機が群がっていた。 しかし味方の戦闘機隊もほぼ同数。もちろん強者揃い。彼らに任せていれば、まず問題はないだろう。 自分達の仕事に集中するだけ。 攻撃態勢を整える中、 小松の目に、こちらに向かい、敬礼する《千代田》12号機の偵察員の姿が写った。 そのまま、敵機動部隊に向け肉薄して行く。 対空砲火を引き付けようというらしい。 それが小松が見た、《千代田》12号機の最期の姿だった。 「よし、行こう!!全軍突撃を打電!!」 次第に小さくなって行く、双フロートの機影を敬礼で見送り、小松は命令を下した。 「アメ公に、どちらが優れた機動部隊なのかを教えてやれ!!」
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