732人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふざけるなよ…」
「蓮…」
初めてみせた蓮の怒った顔
「何やってんだよ!」
「あっ…」
薬を取られてしまった
「お前…何勝手な事してんの?おかしいと思ったんだよ、紅茶の銘柄なんかいつも気にせず買ってたのに、突然ありもしない銘柄を買いに行かせるなんて」
「ごめん」
「いってらっしゃいじゃなくて、愛してると言われて気になったんだ…車まで行ったけど戻ってきて正解だったな」
「蓮…」
「お前がもし死んでたら、一生許さないところだったよ」
「もういいんだ…もう十分だよ」
「何が?お前は何もわかってない…どうしてわからないんだよ…」
蓮が泣いていた
とても悲しそうに
泣いていた
「俺の幸せを勝手に奪うなよ……わかれよ…俺の気持ちを」
「だけど」
「黙れ…約束は果たすよ…だからお前も最後まで約束は守れ」
「えっ…」
抱き上げられて
ベットに落とされた
「蓮…」
「俺が守らなければお前も守らないんだろ?」
「違う…」
「違わないね…」
「ごめんなさい…ううっ…っ…ごめんなさい…」
「馬鹿真央」
「ごめんなさい」
「俺はお前がいない世界には居たくないんだよ」
「うん」
「置いていかれるのか
1番辛いんだ」
「うんっ…」
優しい蓮に戻って
抱きしめてくれた
「明日…雪を見に行こう」
「うん」
その言葉の意味はわかっていた
最後に過ごす夜
蓮に抱きしめられて眠る
それだけで幸せなんだ…
最初のコメントを投稿しよう!