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「はは……」
真央にとってこの車は
おもちゃに見えたかも
金があっても…か
今は喉から手が出る程
欲しいものだった
まぁ、金持ちには
わからないだろうな
そのままの足で劇団に
向かう
辞めると言う為に
「おはようございます」
「あっ、蓮!」
その言葉を聞いて
みんなの視線が向けられた
「どうしたの?」
「廊下を見てないの?」
「うん」
「次の公演の出演者が
張り出されてるよ」
「そうなんだ」
今更関係ない
「主役に抜擢だよ!」
「えっ?」
「蓮、お前だよ」
「主役?」
「凄いよ、これで成功したら役者の道が開けるな」
「役者の道…」
「大抜擢らしいよ」
本当は凄く驚いているはずなのに
何故か他人事のような気がしていた
「頑張れよ!」
そう言って応援してくれたのは仲の良い友達だけだった
そりゃそうだよな
みんなライバルなんだから
だけど、どうしよう
だって俺は、今日限りで劇団を辞めるつもりだったから
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