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連れて来られたのは
レストランの個室
「あの…真央?」
「ん?」
「ファミレスでいいんだけど…」
「ごめん…行った事なかったから知ってる店に来ちゃった」
「かなり緊張する」
「大丈夫大丈夫!」
そう言いながら帽子を
椅子の上に置いた
やはり綺麗な顔立ち
明るい髪が真央の性格を物語っていた
「ん?」
「いや、いつも帽子を被ってるの?」
「ああ…俺ってカッコ良すぎだからさ」
「成る程」
「ちょ、冗談だからっ!」
「真央はカッコイイって言うより、綺麗だね」
「や、やだなぁ~、男に言われてもなぁ」
「ホントだよ…真央は
綺麗だ」
「もういいってば~」
照れながら笑う
「俺は飲めないけど、飲むよね?」
「じゃ、少しだけ」
「わかった」
少しだけは
こういう店では通用しないのか?
目の前に置かれた1本のワイン
メニューを見るふりをして値段を見た
15万…
「何食べる?」
慌ててメニューを閉じながら言った
「わからないから真央に任せるよ」
「わかった」
真央は慣れた口調で
オーダーする
グラスに注がれたワインを一口飲む
よくわからないな…
こんなワインに15万か
俺の一月分の給料と同じ金額が一瞬に消える
急に惨めな気分になってしまった…
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