ー優しい嘘ー

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「ベットがひとつしかないから一緒でいいよね?」 「俺は床でもいいよ」 「ダメだよ、一緒に寝るのはいや?」 「嫌じゃないけど…」 「じゃ、はい」 布団をめくり、ベットをポンポンと叩く 「わかったよ」 実はさっきまで寝ていたから眠くない 真央も眠いと言ってたくせに、眠る気配がない 「眠れない?」 「いつもだから」 「いつも?」 「たまに考えたりしない?」 「何を?」 「もし、このまま眠ってしまって、死んでしまったらどうしようとか」 「それはないだろ?」 「だよね…」 何を怖がっているんだろう 「俺はさ、もし死んでしまっても悔いが残らないように生きてるよ」 「蓮…」 「だから、生活が苦しくても好きな演劇を選んだ」 「うん」 「真央もそうやって、 生きてみるのもいいんじゃない?」 「でも…」 「俺に出来る事があるなら、協力するからさ」 「ホント?」 「ああ…真央が安心して眠れるように、協力する」 「蓮…」 「どうしたら真央は安心出来るの?」 「じゃ、抱きしめて?」 「えっ?」 「やだなぁ~、冗談だし!」 「いいよ」 「えっ?」 小さな真央を抱きしめた 「少しは安心出来たかな」 「蓮…ばぁか…」 抵抗するかと思ったのに 蓮は抱きしめられたまま 泣いていた 何故、泣いていたのかは まだこの時はわからなかった
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