ー木蓮の木の下でー

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腕の中で眠る真央は 天使のように笑っていた 悲しくはない だって真央は苦しみから ようやく解放されたのだから だけど 変だな… 涙が止まらないんだ 「真央…」 もう返事をしない真央 顔を見つめながら何度も名前を呼ぶ 「真央…真央……」 わかっていたはずなのに 悲しくて仕方がない もう真央は笑っては くれない 返事もしてはくれない 「真央ーーーー!!」 まだ温かい真央を抱きしめながら、馬鹿みたいに泣いた 「真央…まだそこで待っていて…俺もすぐに追い掛けるから…」 まだ温かい真央の唇に そっとキスをして しっかり抱きしめた ポケットには 真央から取り上げた薬 「永遠にお前と一緒だよ」 怖くはない だって、ここからが 俺達のスタートだから 「待たせてごめんね… 今から追い掛けるよ」 「真央…愛してるよ… これからもね」
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