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「俺が説明しようか」
「ロイム、起きてたのか」
「こんな馬鹿でかい音出されちゃおちおち寝てられないっつの」
音?ロイムは確かに今でかい音と言った。でも、部屋は相変わらず静かだった。
僕が顔をしかめていると、
「お前には聞こえないよ」
「え?」
「この部屋は今四つに分かれてる。一つはお前らの、もう一つはお前と俺らの、次に俺らの、そして最後はあの三人の空間」
一本ずつ指折り話してくれてるけど、うまく理解できない。
「お前らの空間にはお前らが存在してる、つまり本来の空間だ。だから俺たちはこっちの人間を見ることは出来ても、触れることは出来ない」
「でも僕には触れてる」
「話は最後まで聞けよ。だから二つ目のお前と俺らの空間がある。お前だけは俺らに触れるし、俺らもお前だけには触れる。三つ目の俺らの空間ってのは、つまり本の中の状態。だから俺らはこっちが夏でも長袖で平気なわけだ。ここまでは分かったか?」
「んー…微妙」
ある程度は分かったけど。なんとなくクロトをみると、肩で呼吸をしていた。
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