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 「ったく。まあいい、次話すぞ。最後のが一番特別で、あの三人の空間。あいつらは今戦ってるだろ?始めた瞬間にあいつらの半径一メートルはソルタージュ・スペースになったんだ。それがある間は他のやつは戦いに干渉出来ない仕組みなんだ。お前みたいにな」  「ソル……え?」  「ソルタージュ・スペース。戦闘中に邪魔が入らないようにってコア=ソルタージュが作り出した空間だ。理解できたか?」  「まあまあかな」 実際クロトばっかり気にしてて、ほとんど話なんて聞いてなかった。  「ところでお前、ホントに勝った方のモンになんの?」  「あ、忘れてた。……ならないよ、僕は誰のものでもない」 クロトに勝ってもらいたいと思いながら見つめた。  「クロトは一途だぜ」  「何言ってるのさ。ロイムはクロトが好きなんでしょ?」  「好きだけどさ、クロトはお前が好きなんだよ」  「子供がそんな話をしては駄目ですよ」  相変わらずズレるメガネを直している。  「あんたのとこのバインが、アキラを賭けるなんていうのが悪いんだろ」  「バイン様に否はありませんよ。あるとすればお酒を飲み過ぎること」
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