00.蝶が一羽舞い降りて

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「もう、さっきから泣き出したりボーっとしたり…困ったコね」 「あは…」 「――でもわかるなぁ。私もそうだったから」 …ああ 琉羽先輩とこの緑陵の門を潜れる日が来るなんて、夢のよう。 俺の隣で笑っている彼女は      サクマ  ルウ 二年生の佐久間 琉羽。 中学の時の先輩で、俺の想い人だ。 可愛くて、優しくて、頭が良くて、しっかり者で とにかく100点満点の理想の女性。 そんな彼女が緑陵学園合格を報告してくれた時は固まったね。 なんでわざわざそんな偏差値高いとこ…! しかも中等部からのエスカレーター組ならいいけど 高等部からの受験者はかなりの実力がなきゃ受からない。 …その日から地獄の日々が始まったさ。 塾・進●ゼミ・家庭教師・記憶術・神頼みのローテーション! 人間やればできる!
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