プロローグ

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 ようこそ、夢の世界へ。  ……嘘くせえ。ダメだ、ごめん。いきなりだけど訂正するよ。  ようこそ、僕の夢の中へ。  うん、そうだな。こっちの方が写実的だ。OKOK。  さて。  夢の中へようこそ、とは言ったけれど、まず夢の定義から始めようかな。  ああ、そっちじゃない。遠大な目的意識の方じゃないよ。そっちじゃなくて、毎晩寝ながら見る方の話。まあこう言うと少し語弊があるけど……。  認知脳科学とか、臨床心理学とか。学術的研究は、まあ為されてはいるね。その成果が、いくつかの仮説として僕らにも理解可能な状態で公開されてる。例えば情報の整理だったり、印象の再現だったり。願望の現れって言ってたのは誰だっけ?  ……まあいい。興味無いだろうし。そういう話がしたいんじゃないんだよ。  要は、『僕が、かつて僕の夢をどう定義したのか』、だ。  ちなみに僕は研究者じゃない。そこそこ頭に自信はあったけど、勉強は好きじゃないし。だから、学術的、科学的じゃないことを許してほしい。  僕が提供できるのは、……そうだな、経験的な、所感だ。こう思った、こう感じた、とかそういう形で伝えることが出来る。  経験に基づく物だから、……ああ、いくつかのエピソードを添えて話そうか。  僕がいかにして夢を定義し、その中で生きていくことを決めたのか。  長くなりそうだな……まあ、ゆっくり聞いてよ。
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