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ある日の夕方。
肩を落としながら歩く一人の若いサラリーマンがいた。
彼の名は、結城正人〔ゆうきまさと〕
彼はまだ新人で
今日も上司に十分すぎるほど叩かれてきたあとだった。
毎日のストレスのせいもあり
柄にもなく
一人で飲み屋に行き
知らないおじさんと
酔いながら
語っていた。
その帰り~
正人は酔った体でフラフラしながら家に帰ろうとしていた時
『おい、若僧』
後ろから知らない
40歳代のおじさんに話しかけられた。
『な~んで~すか~』
『消したい記憶買いましょうか?』
『はい~?何言ってるんですか~?』
『まあいい、用がある時はここに電話してくれ。』
40歳代のおじさんは
名刺にメモをした後正人に渡した。
『わ~かり~ました。』
正人は酔いながら名刺をそのまま財布にしまい。
危ない足取りで帰って言った。
その日は帰ったら即寝し、
朝起きたら玄関でスーツのまま寝ていた。
正人は急いでケータイを開いた、
『やばっ!もう会社始まってる!』
ケータイのデジタル時計は9時半を表していた。
正人は焦ったが
『二日酔いもあるし、今日は休むか!』
という結論が出た。
適当な理由で会社に連絡して、スーツを着替えた。
着替えるとき
財布がポケットに
入ったままという
事に気づいた。
何気なく財布の
中身を見た。
『誰これ』
そこには、見覚えのない名刺があった。
表には、
〔Human memory〕 と電話番号が書いてあり。
裏には
〔消したい記憶があるときは、電話してくれ〕
と達筆な字で書いてあった。
『ヒュ~マンメモリ~?何これ~いつのまに!』
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