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だが、毎日がストレスまみれの正人は
現実逃避したいためか、電話したくなった。
『まあ、電話するくらいなら。』
と軽い気持ちで電話した。
この行動が不思議な世界へ踏み込む引き金になるとは知らず。
『はい、もしもし。ヒューマンメモリーですが。』
『あっ!あの~名刺をもらった者ですけど。』
緊張しながら答えた。
『あっ!はい、昨日ウチの者が声をかけたお方ですね⁉』
記憶になかったが。
『はい、多分。』
『ウチの者に、伺っております。ところで、本題に入りますが、消したい記憶などは、ありませんか?』
(消したい記憶⁉なにを言ってるんだ?)
『あの~消したい記憶と言いますと~』
『あなたの思い出したくない記憶や嫌な記憶です。』
『それをどうするんですか?』
『その記憶を消す代わりに、その記憶に見合う金額を差し上げます。』
(何言ってるんだ?この人頭おかしいのか?)
正人は、とても怖くなり、
何も言わず、切ってしまった。
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