拾-HIROI-

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奥の部屋に入ると、芹沢はさやを自分のすぐ横に座らせ、まもなく出てきた酒と食事を食べていた。   「お前も食え」   さびしそうな目で、食事に手をつけてないさやにぶっきらぼうにそういう。   「なんだ!?食わねーなら俺が食っちまうぞ。」   隻眼の男さやの食事に手をつけようとしたそのとき、芹沢の刺すような視線がその男につけられる。   「・・・すみません。」   男はそそくさと席に戻った。   「・・・食え。」   もう一度芹沢がいうと、さやは食事に手をつけた。   「うまいか?」   小さくうなずくさや
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