序章

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「一人じゃ行けないのか?」 「だっ、誰が方向音痴だ!」 そこまで言ってません。 「いつもは執事に車で送って貰ってるから道が分からないだけなんだ!本当だぞ!」 俺も執事だけど?免許は無いけど。 少女は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。息も整ってきたので、眼前の少女に目をやる。この少女は背も低い幼児体型だからますます子供っぽく見えてしまう。 「所でさ、君、いくつ?」 「……歳……」 「え?」 「……17歳………」 あれま。一つ年上だったよ。 「なっ、何だその疑惑の目は!年齢詐称じゃないぞ!生徒手帳だってあるんだからな!」 必死に弁解したりする所は子供っぽいし、声も高いのに、口調や言ってる事は大人びている。これがギャップってヤツかな? 「分かった分かった」 軽くあしらってやると、頬をむぷーと膨らませた。やっぱり子供だ。
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