序章

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その時、俺の携帯が振動した。誰かから電話が入った様だ。 「とにかく!責任持って私を学校へ―――って人の話を聞けぇ!」 俺?今通話ボタン押して会話スタート。 『才人さん!至急屋敷まで戻ってきて下さい!』 耳に当てた途端、大人の女性の声が響いた。慌ただしく話すこの女性は、霧島家で働くメイドの村雨 八雲(ムラサメ ヤクモ)さん。21歳だけどその割に大人の余裕っていうのは無い。 しかしこんなんでメイド長をやってるんだから更に驚きだ。 「何があったんですか?とりあえず落ち着いて―――」 『ああっ!もうっ!こっちも忙しい中で電話かけてるんです!いいから早く帰ってきて下さい!』 「八雲さんがもうちょっと―――撤回。もっと有能ならその忙しさやらも中和されるんじゃないの?」 最後に「どーせ私は無能ですよーだ!」と言った後、電話を切られた。
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