序章

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と、親に聞かされた覚えがある。まあ代々そんな感じでやって来たわけだから、ウチの親と霧島家当主………さしあたってお嬢様の親とは仲が良い。 従って俺とお嬢様は幼馴染み。だけど決まりだから便宜上『お嬢様』と呼んでいる。 家の玄関を出るとすぐに冷たい北風が体に衝突してきた。秋も過ぎ、これから本格的な冬になろうとしている地球の意気込みが感じられる。 要するに、ただの皮肉だ。 登校途中に誰かと寒いね。などと喋りながら歩いていれば、多少は気も紛れるけど、生憎その相手は隣に居ない。 一人で寂しく学校に着いた。うん、あれだ。鬱病ってヤツかな?あ~たるい。学校フケちゃおうかな?
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