色のない世界

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いつの頃からか、私の周りには色が無くなった。 人の顔色ばかりを気にし、評価を恐れた私にくだされたのは「八方美人」だったり、「男好き」、「都合のいい人」。 どうでもよかったんだ。 私はどうせ、いらない人間だから。 だからほら、もし私が屋上から飛び降りても、誰も泣かないでしょう? 知らずしらずの内に、“ワタシ”の足は、屋上の策を乗り越え、あと一歩踏み出せば自由だったり、無だったり、人によっては「楽」だったりを手に入れられる場所に来ていた。 今日このまま、教室に行けば地獄。 一歩踏み出せば、そんな世界からは抜け出せる。 くだらない、紙一重なんだ。
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