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「はあ……またか」
寝起きで開ききってない目で、天井を見ながらため息を漏らしていた。
最近よく昔の夢を見る。
まだガキだった頃の俺の夢。
夢に出るのはいつも同じ。
あの『約束』を交わした日の事だけ。
ベッドの上に横たわっている自分の体を起き上がらせる。
相変わらず散らかってる自分の部屋の中で、俺はふと小指を見た。
あの時交わした約束なんてきっとアイツは覚えてないだろうな。
俺は幼なじみである柵原しずるを思い出していた。
小学校の頃はよく話したりしていたが、だんだんと女の子と話すのが恥ずかしくなり、ついつい酷いことを言ってしまって、今ではすっかり疎遠になってしまっている。
仲直りはしたいが突き放したのは俺なんだから、今更仲良くしてくれなんて都合が良すぎる話だ。
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