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「それでもいいの！ お兄ちゃんの食べたいもの食べたいの！」
かわいいこと言ってくれるなぁ。
お兄ちゃんは嬉しいぞ。
ご自慢のキューティクルを振り撒いて薄紅色の顔が見え隠れする。
ここらでふと俺の頭に『ハンバーグ』という言葉がよぎった。
こういう時に奇抜な回答ができないあたり俺の頭はどこまでも平凡を貫いているなと軽く皮肉もよぎる。
ともあれ、無難で面白味のない思い付きを口にすることにした。
「じゃあ……ハンバーグで」
「無難で面白味がない。３０点」
感想が同じなところが流石は兄妹。
だが、要望に答えた兄にその酷評はどうだ。
せめて６０点はくれよ。
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