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バーベキューでの一件があってから1週間あまり…奈美は竹田の事をずっと気にしていた。
火傷は大した事なかったと瀬川から聞いていたものの、お礼も言えなかった事が引っ掛かっていた。
………違う。
お礼だけではない。
何の言葉も交わせないままだった事が引っ掛かっているのだ。
どうしても竹田の事が気になる。
助けてもらったのにお礼も言わず、何の言葉も交わせなかった奈美を…。
竹田の方はどう思っているだろうか。
気になる…。
その日の夕方、奈美は友達のヨッチャンにメールを入れた。
ヨッチャンは高校時代からの大親友で、この前のバーベキューでは幹事だった。
《奈美だよ~😃
この前のバーベキューに来てた竹田くん…誰の紹介で参加したかわかる[?]
助けてもらった上に怪我させちゃったから💦
お礼とお詫びしたいんだけどアドレス知らないんだよね😓
ヨッチャン…知ってたりしないよね[?]》
返信は意外と早く来た。
《Re:
竹田くんねぇ😃
怪我あんまり酷くなかったみたいよ👍良かった〓
アドレスならわかるよ~🎵
*******@####.##.##
↑お礼&お詫びメールしてみなよ😃》
思いがけずヨッチャンからメールアドレスを教えられ、奈美は心が踊るのを感じた。
何てメールをしようか…。
どんな文章にしたら良いだろうか…。
そればかりがグルグルと頭を回り、メールを打ち込んでは消し…また書いては消し…を繰り返した。
そして最終的には、
《佐藤奈美です
先日はお礼も言わないでごめんなさい。
怪我は大丈夫ですか?》
という簡単な文章に落ち着いてしまったのだった。
我ながら色気もないつまらない文章…と思いつつ、奈美は送信ボタンを押した。
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