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瞼の裏に光を感じて目を開けると、直射した灯りは太陽のように眩しくて、思わずまた目を閉じた。
「お目覚めですか。」
薄ぼんやりとした意識の中で聞こえたのは女子の声だ。
「ああ、まだゆっくり寝ていらして下さい。酷いお怪我なのですから。」
「ここは。」
「ここは私の夫、桃山大輔の家にございます、お侍殿。主人は今、藩の集まりに行っております。
だから留守中は、私になんでも申しつけて下さい。私の名は、重と言います。」
そう言うと重は、ニコリと微笑んだ。
「助けて頂いたのか。申し訳ない。」
どうやらここはどこかの親切な志士の家のようであった。
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