良かったですね、先生

6/17
前へ
/172ページ
次へ
この年頃は何でも知りたがる 恋人(かどうかも怪しい)に捨てられて行くあてがないからだよ …なんて真実を純粋無垢な子供に言える人がいるなら見てみたい 「……早く手を洗ってこないと僕があのケーキ、もらっちゃおうかな?」 「「ダメ―――!」」 知らない男の人のこととあまり食べることのない大好きなケーキ どちらを取るかなんて聞かずともわかる 花と音は争うように洗面所に走って行った 「…いつまでこのテが使えるやら」 「大変そうだな?子守りも」 「ええ、おかげさまで」 笑顔と一緒に投げた睦の皮肉は綺麗なまでに避けられた 「「あつしくん!あらったよ!」」 「ん、じゃあ楓さんにご挨拶しよっか」 先に動いたのは楓の方だった 「宮内楓です、よろしく」 「…はな」 「おと、です」
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2514人が本棚に入れています
本棚に追加