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この年頃は何でも知りたがる
恋人(かどうかも怪しい)に捨てられて行くあてがないからだよ
…なんて真実を純粋無垢な子供に言える人がいるなら見てみたい
「……早く手を洗ってこないと僕があのケーキ、もらっちゃおうかな?」
「「ダメ―――!」」
知らない男の人のこととあまり食べることのない大好きなケーキ
どちらを取るかなんて聞かずともわかる
花と音は争うように洗面所に走って行った
「…いつまでこのテが使えるやら」
「大変そうだな?子守りも」
「ええ、おかげさまで」
笑顔と一緒に投げた睦の皮肉は綺麗なまでに避けられた
「「あつしくん!あらったよ!」」
「ん、じゃあ楓さんにご挨拶しよっか」
先に動いたのは楓の方だった
「宮内楓です、よろしく」
「…はな」
「おと、です」
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