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そういえば楓に初めて挨拶をしたとき、見上げることはなかった
楓が自分達の目線におりてきてくれたからだ
初めて会った大人の男の人にジッと見られるのは人懐っこい音さえも抵抗を感じていたようだったが
今思えば顔を覚えようとしてくれていて――そしてもう覚えてくれている
そしたらもう、気持ちはすごい速さで昇っていく
「…かーでしゃん?」
睦のように楓さんと呼んでみたがうまく言えない
「…みゃーうちせんせい?」
しかし四葉も同じ名字だし、先生という感じではないからしっくりこない
うーん、と悩んでいるとフッと息を吐くように小さい笑いが聞こえた
「なんでも好きなように呼べばいい」
あ、笑った
花がそう思ったよりも早く楓は早く寝ろよ、と言って自室に向かっていった
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