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「この魔女め……勝手に抜け出し勝手な真似を!」
息耐えた妻に蔑む様に目をやる。アリスは青ざめたまま父親と母親を交互に見る。
「お父様、どうして……一体、何が」
「〝これ〟はお前の母親だ。二度と魔法を使うな、勝手に別館から出るなという約束を破ったからこうしたまでだ」
グランは冷たい声で言う。
「知りたいか?母親の事が」
「……」
アリスが頷くとグランは次の様に語りだした。
「数十年以上前、屋敷の前にこの女が倒れていたのを哀れに思い、屋敷に連れていった……この女の美しさに心を奪われた私は、妻に迎えた」
「……」
アリスは続きを待った、父親は嫌悪感を浮かべ床に倒れた妻を見ると再び、口を開いた。
「お前が生まれた後、コイツは自分が魔女だと言った……だから、コイツとお前を別々に別館に住まわせた」
「何故?お母様を愛していたのではなかったの!魔法が嫌いだから?」
アリスが反論しながら父親の腕を掴んだ、グランは娘を睨んだ後、アリスを突き飛ばした。
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