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「お嬢様!」
ロビンが駆け寄り、倒れたアリスを抱き抱える。
「私は非現実な事は気に喰わん。第一、私が愛したのはあの女の美しさのみだ」
感情の無い声で言う父親をアリスは涙目で見る。
そんな娘をグランは虫けらを見るような目をしていた。
「あのまま大人しくしてればいいものを……大方、お前を連れて逃げるつもりだったのだろう」
剣を握る手に力を込め、倒れている妻を足先で蹴る。
「助けてやった恩も忘れるとは…」
「やめて!お父様」
アリスは母親に駆け寄ろうとしたが、父親が険しい顔で睨んだ為、その場に立ちすくんだ。
「もうお前もいらない。母親の元に逝くがいい……母子で私に恥をかかせおって!」
剣を握り締め、アリスに歩み寄る。
「死ね!魔女め!」
「お嬢様っ!危ない」
剣をアリスに向けてたと同時だった……。
アリスを庇い、ロビンが切られ、周囲に血が飛び散った。
ゆっくりとロビンが床に倒れた。
「いやああああ!!ロビン!」
アリスが悲鳴を上げ、ロビンに駆け寄る。
ロビンは弱々しくアリスに微笑みかける。
「お怪我は……御座いませんか、お嬢様……」
「喋っちゃ駄目っ!今、治してあげる」
アリスは治癒魔法を使おうとしたが、ロビンがそれを制した。
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