第十一話 「真実」

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「ずっと貴方を殺す事や追い詰める事だけを考えて生きてきたのよ!貴方も味わえばいいわ、周りにいる大切な人を失う気持ちを!!」 アリスはテーブルに置かれた果物ナイフを掴み、それを雪子に勢いよく降りおろした。 だが、ナイフは雪子に刺さらず雪子を庇った葬送屋の掌に刺さった……ナイフが深々と突き刺さっており、血が溢れた。 雪子が真っ青になり悲鳴をあげる。 「葬送屋さん!!」 「そういうモノを人に向けるのは良くないよ、アリス」 流石に痛いのか、眉を潜めた葬送屋は、ナイフを抜いた……掌からさらに血が溢れ出る。 「血が……!」 雪子がハンカチを取りだし、応急措置をする。 ヴィンスが薬箱を取りに行こうとするが、葬送屋が制した。 「構わないよ、すぐに塞がる」 ハンカチにくるまれた自分の手を見る。 血が滲んでいるが、既に出血は止まっているみたいだった。 「この程度では怪我のうちにも入らないさ」 葬送屋は抜いたナイフを怪我の無い手でちらつかせた。 その瞬間、ナイフは腐食し、その原型を崩した。
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