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藍が待つ屋敷に帰った二人は、藍に今までの出来事を全て話した。藍は複雑そうな面持ちで葬送屋の話を聞いていた。
「……そんな事があったんですか、オレの知らない所で…」
藍がティーカップに目線を落とす。
「オレと出会う前から色々とあったんですね、そのアリスって子との関係とか…」
「黙っててすまなかったね、巻き込まれた雪子は兎も角、君まで面倒に巻き込むのは気が引けたのでね」
葬送屋は空になったティーカップをテーブルに置き、傍に置かれた黒い箱に目をやった。
アリスと二人の従者の砂が入った箱だ、屋敷を去る前に葬送屋がこの箱に入れて、持ち帰ったのだった。
「旦那……その箱…」
「アリスちゃんの故郷に持ち帰るみたいです……ロビンさんが眠る傍に眠らせてあげるみたいで…」
葬送屋の代わりに雪子が藍に説明すると、彼はそうですか、と言って黒い箱を見つめていると……葬送屋は席を立った。
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