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―翌日―
雪子は自室で目覚めた……昨日の事なのにも関わらず、数日前の出来事に感じた。
ベッドからゆっくりと起き上がり、窓際まで歩くとカーテンを開けた。
「今日は、晴れかな」
綺麗な朝焼けが窓から見える。
雪子は着替えを済ませると、部屋のソファーに座った。
今日でこの屋敷を去る……家族が待つ家に帰るのだ。
分身が無くなった上に、アリスの事が片付いたから居る理由はない。
「3ヶ月も此処に居たんだ…」
久しぶりに家族に会えるのは嬉しいし、学校にも行けるのは喜ばしいが、やはり寂しさが雪子の胸にはあった。
荷物を持って部屋を出るとリビングに向かう……リビングには既に藍と葬送屋が居た。
「おはようございます。藍さん、葬送屋さん」
「おはようございます!雪子ちゃん」
観葉植物に水を与えていた藍が笑顔で挨拶をした。
「おはよう、雪子……準備は出来た様だね」
葬送屋はソファーから立ち上がり、雪子に向かって歩いてくる。
藍も水やりを中断して雪子の元へと向かった。
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