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「オレは、自分が最期を迎えるまで旦那に仕えますよ。それまで旦那と一緒に生きます!」
そう語る藍は、真剣な表情をしながら黒衣の主にそう言った。
そんな彼を葬送屋は、まっすぐと見つめながら笑みを深めた。
「全く、君も変わった人物だな。私に仕えたがったりして……お陰で退屈はしない」
低い声で笑いながら彼は藍にそう言うと、ソファーから立ち上がった。
「さて、そろそろ行こうか…早く彼女をロビンの傍に眠らせてやりたいからね」
「はい!」
葬送屋は、藍からコートを受け取り羽織ると、黒い箱を抱え、片手に黒い大きなトランクを持つ。
藍も自分のトランクを持つと主と共にリビングから出た。
二人は屋敷の外まで出ると、数ヶ月住んだ屋敷を再び見上げた。
「また日本に来る時に利用できそうだ。この屋敷は、結構気に入っていたよ」
「色々とあったお屋敷ですからね…」
「そうだな、さぁ、行こうか。藍」
葬送屋は、コートを翻して歩き出した……藍も後を追うように歩きだし、そして、二人の姿は、門を出たところで姿を消した…。
二人は、新たな場所へと旅立つ…。
―完―
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