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わりと学校には近目の場所に家があるため、俺は毎日徒歩で行く。
わんわん吠える犬も、ブンブン通り過ぎる車も、きゃぁきゃぁ騒いで走り去る子供たちも。
いつもと変わらない風景。
嫌いじゃないけどね。
「恭介ぇっ!おっはよーッッ!」
後ろからばんっと背中を叩かれた。俺はよたっとしながら『おはよう』と小さく返す。
奴の名は萱島充。中学の時からずっとつるんでる友達だ。…まぁ、一緒に居て楽しい奴ってトコ。
「相変わらずくぅーるな奴めっ。もたもたしてっとマジで遅刻するぜ?俺先行くから、じゃあなっ」
言いたいことだけ言って、奴は走り去っていった。
全く、あいつも相変わらず騒がしい奴だな。
あ、言っとくが俺はくぅーるな訳じゃない。朝だからテンションがた落ちなだけだ。
…ま、冷めてるとはよく言われるけど。
どうでもいいが、あいつの言った通り、ちょっと急がないとマジで遅刻するな…
俺はちょっとだけ、本当にちょっとだけ早足で学校をめざした。
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