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ふと、小脇に小さな猫がいた。
段ボールに入ってにゃぁにゃぁ鳴いている。
…ああ、あれだな。
お決まりの。
『捨て猫』
猫は好きだが…生憎、今は登校途中。君に割いていられる時間はないのだよ。ごめんね。
スルーで猫の横を通り過ぎようとしたとき。
前から女の子が走ってきた。
この辺じゃ見たことない制服だな…。何処の高校だろう?しかも両手にヘイユーの袋。
女の子は子猫の傍にしゃがみ、にっこり微笑みながらいった。
「遅くなってごめんね。ニャルベス。今日はカルカン持ってきたから」
………
………………
……………………うん。
突っ込み処満載だ。
まず猫と会話するなよ。
そして名前なんとかしてやれ。
ニャルベスって…
俺でももうちょいましな名前考えられると思うぞ。
なぁんて。観察していたらチャイムが微かに聞こえた。
…あ。遅刻…。
無駄とは思いつつも俺はダッシュで学校へ向かった。
…気になったので、最後にちらっと振り返ってみた。
彼女は…
ニャルベスと一緒にカルカンを食っていた。
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