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ガサ…ガサ…ガサ…
『……ぅん?』
近くでする部屋の物音に、男は目を覚ました。
「ごめん、起こした?」
女は鏡の前で化粧をしながら男を気遣う。
『いや、大丈夫やで』
男は眠気覚ましの煙草を手探りで見つけると、それに火を付けながら尋ねた。
『仕事か?』
「うん、8時には帰ってくるから、これで何か食べといて!お金ここ置いとくから。あ!パチンコは駄目だからね。」
『ああ…』
女はテーブルの上に一万円札を置くと、鏡を再度チェックし仕事へと出掛けた。
男はその様子を煙越しに見つめていた。
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