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その時、この大会を放送しているテレビ局では…
「局長!どうします?あの男の流血が酷くなってきました。別映像に差し替えますか?」
『馬鹿野郎ッ!そんな事出来るか!』
「しかし、あれを撮り続けて視聴者から苦情きませんかね?」
『馬鹿!この世紀の対決を別映像に代えた方が苦情がくるんだよ!お前テレビマンだろ!テレビマンならな、テレビの向こうの視聴者の息遣いを感じろ!』
「すいませんッ!」
(あの難攻不落といわれた伊藤アイトを、あそこまで追い詰めてんだ…。この栄光も挫折も知る、かつての天才ギタリストがよ……)
局長は中指で眼鏡を上げると、モニターを見つめ感慨深い表情を浮かべていた……
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