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1年後……
JAPAN OSAKA PM3:00
教会の鐘が鳴る……
白いハトが飛ぶ……
永遠の愛を誓い合った二人が観音開きの扉から姿を現す。
新郎は参列者達の祝福を受け、満面の笑みを浮かべる。新婦はブーケを後ろ向きに投げ入れ、群衆に歓声と笑い声を与えた。
ライスシャワーとフラワーシャワーのアーチをくぐり抜けた二人は、互いを一瞥し照れ笑いを浮かべると、参列者達にお辞儀や握手をしながら感謝の言葉を口にする。
参列者の岡本も暖かい気持ちで祝福の言葉を贈った。
『瀧澤さーん!おめでとう』
そう、今日は瀧澤の結婚式だった。当然、隣にいるのは瞳である。彼女のウェディングドレス姿はとても美しく、瀧澤は終始デレデレしていた。
式も一段落し、喫煙スペースで一服していた岡本に瀧澤が声をかける。
「今日はありがとうな」
『いえいえ、ホンマにおめでとうございます。瞳さんも元気そうで良かったです』
「あぁ、せやな」
瀧澤が参列者と撮影する瞳の方にチラリと目をやると、その視線に気付いたのか、瞳はとびっきりの笑顔で手を振る。
瀧澤もそれに応えるように手を振り返した。
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